cotan booksのブログ

「インターネットとうまくつきあう」をコンセプトにした本屋のブログです

幼児後期における発達課題からの脱却

 前回のエントリから2ヶ月も何も書いていなかった。言い訳をすれば、新型コロナに関連した課題の数々に蝕まれ、身動きが取れなくなる不調が続いていた。

 暗いニュースによる杞憂、疑心暗鬼が続く中で、マスクは底をつきそうだし、知り合いにも会いにくいし、日差しがだいぶ強くなったのに家の中は冷えてきた。それでも少しずつ、日ごとに時が経つのを実感している。「コロナ禍」という新たな時代設定に慣れてきたのか、近所の川の桜が咲き始めたおかげか、少しずつ気力が戻ってきた気がする。

 

 近く出店予定だったイベントはなくなったが、店舗の開店準備も進展が見えてきた。物件のリノベが始まり、いよいよ内装に手を付けるタイミングが来ている。

 私はお金はないが、時間は普通の会社員よりはある方なので、什器などはなるべくDIYしてしまおうと思っている。店のインテリアはああしよう、こうしようと頭を捻らせ、日々イメージを具体化させているが、なかなか漠然とした理想の形にたどり着かない。始めてみないと理想の形なんてわからないのだから、理想の6, 7割も実現されれば御の字じゃないかと思ったりもする。 

 以前に今後やりたいこととして挙げていた、フィールドレコーディングはゆっくりと進んでいる。

 街の音より自然の音の方が録音しやすくなったので、散歩がてら公園や川など様々な場所にマイクを当てている。収集も楽しいが、そろそろ素材の調理に向かわねばならぬ頃合い。

 読書会は、今後しばらくはオンラインが主流になっていくはず...ので、(IT企業のリモートワークの取り組みにもあるが)例えば、LIVE配信で"つながりっぱなし"の状態を作り、共有された読書時間を作るのも悪くないかなと思っている。それはそれで、読書会の名を呈している気がする。暗がりでのオンライン朗読会も素敵だなと思う。

 

 他にも、コロナ疲れやネット疲れのための優しいwebコミュニティ/SNSを作りたいし、登山シーズンに向けた買い物をしたいし、トイレに本屋を開店させたいし、やりたいことは膨らんでゆく。

 それでも実務的(?)なタスクが積み重なっていくもので、開店準備は待ってくれない。疲れにくい体質を作るために、朝は瞑想と散歩をして、アゴを引いて姿勢を正して在宅勤務をこなし、時折アーモンドをつまみ、ランチは西友の美味しいグルテンフリーレトルトカレーを啄む。今はそんなルーティンが確立されていて、4月はよりヘルシーになりそうである。

2月から見えてきたやりたいこと

1月から作業していた確定申告の準備にようやく終わりが見え、安堵のため息をつく。

先日、実は人生では初めての読書会に参加した。課題図書は、米国のSF小説テッド・チャンが前著から17年ぶりに発表した「息吹」という短編集。

この中にある「偽りのない事実、偽りのない気持ち」という作品を読んで、まさにcotan booksが持っていたいバランス感覚だと思った。ネタバレしない範囲でいえば、その話の中にはテクノロジーの習得を経て個人が自身の感情と客観的な事実をどう適応させていくかについて、所属する時代も国も違う2人の人物を通して対称的に描かれている。

読書会では、参加者の解釈や意見の幅広さを目の当たりにし、とても刺激的な体験だった。「この話はこういうことを言ってるんじゃないか?」といった仮説が飛び交う議論の中に、実は広く知られるべき意見や考えがあるのかもしれない。その場の盛り上がり、興奮ももちろん読書会の楽しみの一つだが、あとでその時の議論に立ち返ることができたら、本が血肉となる状態に近くきっかけになるかもと思ったり。

ちょっと日が経ってしまったうえに、まだ考えがまとまりきっていないのもあるので、「息吹」とその読書会の振り返りはもう少し後にしたい。

ただ、もう少しここ最近のSFの流れは心底深掘ってみたいと思えたし、自分もお店のコンセプトに合わせて主催をやってみたいと思った。

 

そして、今はフィールドレコーディングについてばかり考えている。

どうしてこの手法を取ろうかと思ったかというと、特にこれらしいきっかけもないが、何となくこんなやり方あったなと思い出して、少しずつ調べていったら「これをやるしかない」という感情に辿り着いてしまった。とはいえずっと前からcotan booksというお店で流す音楽は、他人様の曲を流すより、cotan booksでしか聞けない音を届けたいなあと考えていた。

店の中で流れる音楽というものは、まるで店の意図や方針に沿う沿わないは後回しにして、ブランドの雰囲気を示すインテリアとして機能'させている'。いわゆる有線放送や店主自慢のプレイリストがそうだ。その曲自体に意図が含まれていても、店のために漂白されて使われているのが何とも気になるところがあった。(店内音楽がダメ、というよりは自分の店だったらやらないだけです、悪しからず)

それに加えて、その店らしい音とは何か?、その音はどこで手に入るのか?、なぜその店でその音を聞く'必要'があるのか?ということを自分の中で納得できるようにしたくて常々考えていた。さらに、モダンな西洋音楽にある音階やら和声進行やらソフトウェアを用いた音源・演奏にやや飽きを感じて閉塞していたこともあり、もう少し違ったアプローチ、より偶然性を利用しつつ、粗くて生々しい感触を見つけていく方が東京にいた頃とは違う自分には合っているのかも、とも感じていた。

この手法はこれまでやったことはあったものの、上手くいった試しはない。しかしながら今暮らしている土地に偏在している音を取り込み、私なりの解釈を加え変化させることで、もしかしたらcotan booksらしい音ができるのはないかとちょっとわくわくし始めている。

奇しくも友人の誘いもありミュージックコンクレートのコンサートには飽きることなくもう5年以上は参加し続けている。このまま沼に身を任せてみたい......なんてことを思う2月上旬だった。

車に揺られて2.5里

ここ3日で起きたことをざっとまとめる。

 

金曜日は、2020年しましま作戦会議@BOOKS 電線の鳥に参加。書記長に就任した。
脈絡無く投下するが、今やロケットはロケットにぶつける時代だそうだ。

その後は友人と妻を交えご飯。将来の明るい話と暗めの話、あるいはコレクションとしての書物愛をグルテンフリーな中華料理と共に。

 

土曜日は、納車と物件(再)内見の日。

妻が車を購入。私は無免許のため付き添いだけ。

巧みにカーナビUIを操り、表示される膨大なデータを瞬時に読み取り、見事なミスディレクションを行なった。車なら通常15分ほどで着くであろう次の目的地(物件)まで、40分ほどかけ無事故でたどり着いた。

物件では、内見と一緒にインフラ整備のための見積もり調査も行なった。室内とはいえ電気やガスは付いていないため寒かったが、業者の方もじっくり調べていただき家の仕組みというのがなんとなく理解できた。まだ確定ではないけれど、気持ち的にはもうここでやってきたい意気込みであふれている。しかし吉凶もあざなえる縄のごとし。褌の緒を締める勢いで、推して参る。

夕食の時間がいつもより遅くなってしまい、自炊する気力もなかったので車に乗って回る寿司を食べに行った。冷たい風に当たらなくて済むことに感激。我が家の事件だ。夢のTSURUYA通いが待ち遠しい。

 

今日はもっぱら課題図書を読み進めていた。

お昼に今更映画「パシフィック・リム」を途中まで観て、運転技術とガイド法を学習した。久しぶりにアーマード・コアグランツーリスモエースコンバットをプレイしたくなる。

夕方に無印で安くなっていたルームシューズを買い、足冷え防止策に精を出す。

今は暖冬気味らしいが、2月には本格的な寒さが待ち構えているはず。先月のガス代は1万円超えしていた。

音楽と料理の捻れ

女鳥羽川の三九郎は結局見逃してしまった。

少しばかり「あめ市」の様子を見ようと街に繰り出したが、ちょっとばかり時間に遅れた上、離れた場所に別の用事があり機会を失うことになった。私の三九郎Yearは終わってしまった。

 

その日の夜、「井戸の底」という自宅を改装したライブハウスに向かった。

弾き語りメインだが、演者が個性豊かで濃淡楽しめる。地元界隈のミュージシャン達とゆるめの距離感と演奏を分かち合う。まるで暗い部屋で友達みんなでテレビ映画を観ているようだった。生演奏が良い刺激になったので、次の日は自宅の楽器でぽろぽろと遊んだりした。

ライブ後にご飯タイムがあり、それもとても良かった。ブリ大根も染みててジューシーだったが、ポテサラがひときわ美味しかった。ポテサラが美味しいことはそうそう無い。ちなみに日本ポテトサラダ協会によるとポテトサラダはロシア起源説が有力らしいが、1年ぶりぐらいに食べた気がする。酸味や塩胡椒の効き具合、具の大きさなど、色々ひっくるめて完璧なバランスだった。一口食べてそう表現するしかないように感じた。聞くとやはり試行錯誤を重ね、コツを抑えたらしい。なおさらお通しとして毎回出してほしい。

 

そして今日(15日)は行こうとしたお店が定休日だったことに気づき、方針転換をしてとある古本屋さんへ向かった。

そこで音楽と料理に関する面白い雑誌を見つけた。古雑誌の割に高価だったと思ったが、ツッコミどころがあり過ぎる素晴らしい企画構成で、状態も良く、他の人に買われる前に手に入れたいという気持ちが勝り、買った。キャッシュで買った。完全キャッシュレスの時代になると「大枚を叩く」という言葉もいずれ消えるのだろうか。札束で頰を殴ることもなく、分子科学がさらに強くしてくれたガラス付きスマホで殴るのか。

 

さて、開業準備に関してはこれから一箱古本市の打ち合わせ、古本市の見学、納車日、物件関連とイベントが続く。といっても感触としては進んでいるような、いないような......実感が薄いからこそ、地道に目の前のことを片付けなくてはならない。あと、細切れの時間を使って引き続き確定申告を片付けている。

グルテンフリーな自炊はまだ続いていて、以前よりぐったりと疲れることが減った。自分に体に合うのかどうか、まだ確証が持てないのでもうちょっと続けてみようと思う。

古物商・個人事業主の雑務、あるいは三九郎

今日は朝から古物商がお店に設置しなくてはならない書籍商プレートの注文、サイトに載せる古物営業法に基づく表示の設定をした。

書籍商のプレートは警察署でも注文できるらしいが、amazonでも2,000円くらいで買えたりする。氏名、公安委員会の名前(長野で申請したら、長野県公安委員会となる)、許可証の番号を業者に伝えれば作成可能だ。

amazonの場合は、カートに入れた後、ギフト設定にチェックを入れるとメッセージが記入できるので、そこに上記3つの情報を記載しておけば良い。

注文とサイト設定が終わった後、住所付きのハンコを作ってなかったので、ハンコサイトを色々見て回っていた。ちょっとデザイン凝りたいなあと思い、イラストレータで作ることにした。が、案を考えるところで止まってしまった。

そして確定申告の準備。早めに進めないと積んでしまう恐怖感から進めていたが、まだ3割ほどしか完了していないだろう。

 

午後は松本市では有名な「三九郎」を見に行こうと思い、散歩に出かけた。

どんな祭りなのかは他の方のブログ記事に詳しいので、そちらを参照されたし。

www.i-turn.jp

matsumotogurashi.naganoblog.jp

 

そして近所の薄川でもいくつか行われているのを発見し、写真を少しばかり撮った。

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由来や意義についてあまり詳しくないため、深くコメントはできないが、川辺で煙をモクモクと上げ、静かに燃え盛るだるま達を目にすると妙な高揚感を覚えることは確かだ......

また、明日も街中を流れる川「女鳥羽川」で行われているそうなので、引き続き三九郎と向き合いウォッチしていきたい。

許可証を受け取りに

朝から警察署に行ってきた。

12月に申請した際は昼過ぎだったため結構混んでおり、窓口も普段の倍にあたる2人体制にしていた。今日は一番のりだったのか、待ち時間もなく担当の方と話すことができた。

古物商許可証の受け取り、誓約書の書き直し(申請後に形式の刷新があり、再度記入が必要だったらしい)、主たる営業所の届け出用紙の記入(これも今年の春にある法改正のため必要になった)、古物営業法に基づく表示に関する説明などがあり、30分くらいは滞在したと思う。

担当者曰く、古物商関連の申請・変更届などは基本的に窓口のみで受け付けており、今後もオンライン申し込みに対応できるかはまだ見えていないとのこと。行政の電子化はやはり重たそうだ。プライベートでも仕事でもネット漬け気味だった自分にとっては、郵送や役所への訪問を伴う許可証申請のための書類集めのおかげでようやくアナログによるスピード感や煩雑さに慣れることができたと思う。

ちなみに今後新たに店舗を持った時に、あらためて主たる営業所の変更届け出を出す必要があるのだが、結局警察署に訪問しなくてはならないのは正直微妙だ。足繁く通うことに慣れておかなくては。近くにツルヤがあることがなんとかモチベーションに繋がる。

昼以降は別仕事の急対応があり、ほぼそれで埋まってしまった。なんとか自炊だけは止めなかったが、リズムや精神衛生に乱れが生じたと思う。

明日は松本が盛り上がる三九郎・あめいちの日。松本ぼんぼんを初めて見た頃から、松本のお祭りはちょっとした捻り・狂気・茶目っ気が同居した不思議さがあると感じていた。街中をじっくり見ておきたいので、今日はしっかり寝ておこう。

古物商許可が下りた!

お昼頃、長野県での古物商許可がおりたと警察署より連絡があった。審査落ちは滅多にないが、もしものことがあったら…と心配していたので、よかったよかった。

ようやく長野県の古本屋として名乗れます。

古物商の番号がついたプレートと、帳簿付けがマストになるのですぐに準備して、ECの準備ができてなさ過ぎるので、急いで目録まとめと撮影せねば…

そして古物商組合。去年中に見学行くつもりが行けずじまいだったので、近々おうかがいしてみないと。

今日は業務委託デーなのでお家で缶詰め。腰に痛みを感じ始めてるので良い椅子に替えたいこの頃。