cotan books/枯淡苑 7/20にオープンしまして
産んだことはないけれど、卵を産むってこんな感じかなと思った。
産みたてほやほやで、生暖かく、容易に崩れんばかりの危うさを抱えて、殻を割るまで暖めて続けて、やっかいだが愛嬌ある得体の知れない生き物を育てていくために必要な(不快ではなく)前向きな責任感を、気づいたら握りしめていたような感覚。
自分でも書いててよくわからないけど、人生を左右するくらいの前向きな不確定要素を増やせたことで、先々がより楽しみになってきたのは間違いない。
当日は雷雨になるとの予報でも結構持ちこたえてくれた。
中はサーキュレータを回していたけど、それなりに蒸し暑かったと思う。
同窓会のようにお喋りしたり、レジでモタモタしたり、お客さんのリアクションにドキドキしたり、様々あったけれど、正直あまり疲れることはなかった。
落ち着いていたし、十分に楽しめた。
私たち夫婦は式を挙げておらず(多分挙げようとしてもコロナでダメだっただろうか)、こんなにも人々に祝福されることはなかった。
お店に直接来てくださった方やお祝いを送ってくださった方、メッセージやいいねをくださった方が沢山いることにとても驚いた。本当に感謝しかない。
松本に引っ越してからちょうど1年が経とうとしてる中で、感謝できる人がこれだけいるという事実は、東京にいた頃には考えられなかった……
ここまで出会った皆さまの数々のサポート、本当にありがとうございました。
多くの方に助けていただいて、お店を開けることができました。時間はかかるかもしれませんが、これからはお店を通して皆様に恩返しできればと思っています。
今後とも、cotan books / wildswag / 枯淡苑をよろしくお願いいたします。
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お店のこれからについては…まだ「卵」というだけあって枯淡苑は空間としてはまだまだ余白だらけで、埋めたくなるところもたくさんあるだろう。
ガレージみたいにぐちゃぐちゃしたところも好きだけれど、あの場所はもっとやわらかく、内省的な空間にしたいと思ってる。
学校や職場、自宅にネット、そんな喧噪から少し離れ、お店の中でふらふらと夢遊して、自分の中の何かに気づく=枯淡の境地に至ることができる、そんな空間を目指したいとずっと思っていた。
今はそれを実現するためにすべきことを日々見つけ、少しずつ積み立てていくのが私ができる精一杯でもあり、私がやりたい本屋のかたちでもある……
あくまで小さく、少しずつ、ゆっくりと成長していく過程を大事にしていくつもりだ。
論理性や効率性よりもどんどん感覚を研ぎ澄ませていきたいと思っている。
というわけで、ブログの内容も(毎度の如く言葉足らずで)ふわふわとしてしまった。
※ちなみに今週の金曜日は、お店はお休みです。(カレンダー赤字部分がお休みの日になります)
あとは余談だけれど、オープンまでにできなくて悔しかったことがある。
POPが書き切れなかったことと、BGMが作り切れなかったことだ。POPは完全に優先度付けのミスで、夜遅くまでやっていたけど中途半端になってしまった。(今からでも完成させるのは間に合うのでがんばるぞ)
お店のBGMは、1曲は完成していて、実は他に2曲分が途中までできているのだけど間に合わなかった。
当日スピーカーから流れていたのは、Brain EnoのBloomという自動音楽生成アプリから流れている。
音楽が流れていることに気づかなかったのなら、アンビエントミュージックとしての機能をちゃんと果たしたことになるので結果オーライだ。
現在作っている残りの曲については、(私は基本難産型なので)ちょっと別のやり方も考えている。
弄りたいところが沢山あるというのも、飽きるよりはだいぶマシだ。