cotan booksのブログ

「インターネットとうまくつきあう」をコンセプトにした本屋のブログです

最近観た、読んだ、聴いた、作品の感想など

cotanbooks / 枯淡苑のオープンと最後のブログ更新から3ヶ月が経ちました。

日差しの光線と高熱ボイラーによる灼熱の夏から、心地よい晴れ間が垣間見えた秋は今ではどんどん深まってきました。朝夜の呼吸が冬のそれに近づいたような......

お店のことで語るべきことはたくさんありますが、SNSには書かなかった、ここ3ヶ月で観た/読んだ/聴いた作品で印象に残っているものの話でもしようかと思います。(鬼滅とTENETとヴァイオレット・エヴァーガーデンは特別枠で除外しました)

映画

エノーラ・ホームズの事件簿(ナンシー・スプリンガー)

www.netflix.com

netflixで観ました。想像していたよりとてもよかった。シャーロック、マイクロフトの妹が主人公のティーン向け夏休み青春ミステリ。米国の児童作家ナンシー・スプリンガーが原作シリーズを出しており、原著も読んでみたい気持ち。徹底的にさわやか、晴れやかで久々に明るい気持ちになれて、続編観たい作品でした。ちょっとだけ無限列車も出てきます。

 

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(Netflixオリジナル)

www.netflix.com

こちらもnetflixで観ました。お昼休みを使ってちまちま進めてました。

ダニエル・クレイグの(確か)南部訛りが酷かったのでちょっと演技がクサすぎないか、ああいうダンディーさは合ってないのでは...と感じながら、久々に古典ミステリーのノリを味わう。最近『金田一37歳の事件簿』を読んでいたせいか演技以外の違和感は覚えず、飽きずに鑑賞できた。

ダニエル・クレイグとアナ・デ・アルマスの二人組はボンドの最新作『No Time To Die』でも共演予定とのことで、老婆心でさらに興味が湧く。

 

ソラリススタニスワフ・レム

www.hayakawa-online.co.jp

kasuka.hatenadiary.jp

やつはみ読書会で取り上げられたので文庫で読みました。短期間で映画もサブテキストも漁ったほど面白かった。

異星とのファーストコンタクトにおいて人間の偏りがちな想像力に対する相対主義的な問題提起がコアだとは思うんですが、個人的にこの作品は他に類を見ない、どこから切り取っても深堀・展開ができる"多層性"が最大の魅力だと思っていて、確かに名作と呼ばれるがゆえんが実感できました。

 

牛の王 (津久井五月)

www.hayakawa-online.co.jp

S-Fマガジン 2020年8月号で読みました。ハヤカワオンラインにて購入。

第五回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞した『コルヌトピア』の著者による長編の冒頭のみ掲載。

文体が端正。抽象的ではあるのだけど、短いキーワードにちょっと意識を向ければ景色を解像度高く浮かべることができる...となんとも相性がよかったようです。積読しましたが『コルヌトピア』買いました。(先日牛が大好きなお客様がいらしてたんですが、教えてあげればよかったかな)

 

BABELZINE Vol.1(週末翻訳クラブ バベルうお)

babeluo.booth.pm

海外文芸の翻訳同人誌の創刊号。第二版を購入。

掲載されている11の短編のうち『肉と塩と火花』がよかった。チンパンジーと人間のバディ刑事もの。チンパンジー刑事が渋いベテランという設定で、どうしてもモーガン・フリーマンを想像してしまう。2段組みで20Pと話は短いながらも、推理・アクションパートがそれぞれ程よくブレンドされててどんどんスリルとテンションが上がっていく。これも続編があれば読みたい。

徐々になんですが、(せっかく海外留学してたし)海外文芸の翻訳やってみたい熱が出てきます。

 

音楽

RE-ANIMATOR(Everything Everything)

イギリスはマンチェスターのロックバンドの新作。四六時中聴いていますが、このバンドが好きという人がほとんどおらず悲壮に暮れる日々です。

『Planets』のコーラス部分でシンセのアルペジオフレーズとユニゾンするギターサウンドは本当に面白い。あとは元々捻くれたコードとメロディ、そしてマイナーキーの曲が多かった彼らでは最後の『Violent Sun』は初めてポジティブ&疾走感ある曲で驚きました。『In Birdsong』は作った曲をストリングス隊に演奏してもらったものをわざわざシンセに戻して作ったとか。『In Birdsong』のPVがアルバムのビジュアルイメージを象徴してますが、画像編集ソフトのパラメータを全部MAXにして生まれたらしいです。

www.youtube.com

観客がアバターを作ってライブ会場を自由に走り回ったり踊ったりできるVRライブも最高でした。

 

最後に

というわけで雑文を書き散らしてしまいましたが、お店のことで一つ言えるとしたら、ようやく他のことに手をつける時間ができてきた...というのが最近の実感です。仕込み大事。

そして、今日は"文化の日"ということで、「ネットカルチャー」についてオンラインストア上で小特集やってますのでぜひ見てみてくださいmm

cotanbooks.shop

10冊それぞれ読み込んで編んだ特集です。(ネットの大海の広さを思い知らされました...)

 

はい、ではそんな感じでたまに更新してまいります。よろしくお願いします。