cotan booksのブログ

「インターネットとうまくつきあう」をコンセプトにした本屋のブログです

インターネットで本について語り、必要としてくれる人に本を届けるために

本日、cotan booksのオンラインストアがプレオープンとなった。

cotanbooks.shop

仕事の合間を縫ってぼちぼち準備をしていたが、直前にあれこれと悩んだり、チェックする項目が増えて公開日を遅らせて遅らせて、ようやく出せた。正直ホッとした。

個人的に好きではないが、Tシャツ姿のマーク・ザッカーバーグが手に握りしめた「Done Is Better Than Perfect」の印籠を私の顔に押し付けられるような屈辱感が少なからずある。

とはいえ「スピード重視で未完成でも出す」ことが一つの目標だったので、やはり自分が目指していたクオリティの6割くらいになった。もっと細部を詰めるべきではあった。

それでも、ECで本を売る状態を作り上げるということは、少なくとも一箱古本市で売買していたときとはまた違った経験になるし、ただの開業準備中の「半古本屋」のような状態からは抜け出せた気がする。ようやっとインターネットで本について語り、必要としてくれる人に本を届ける状態を作ることができた。

お店という存在は、生み出した人間からすると自分の子供のように感じるらしいが、今まさにその気持ちがわかりはじめている。待ちかねた初めての乳歯が生えてきたような感覚だ。彼/彼女はようやくインターネットで本について話す口を手に入れたのだ。

とにかく、タイミングはどうあれ、大事な最初の一歩が踏めた。

特にオープン告知から購入いただいたお客様にはとてもありがたい、というか救われた気分だ。コロナ以降を生き抜くための本を提供していたつもりだったが、こちらが力をもらう側になった。お買い上げほんとうにありがとうございました。

 

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まずはプレオープン。

本オープンもあるので、実店舗オープンに向けて色々アップデートをかけていきたい。

もうちょっとビジュアルかっこよくしたり、(ECサイトではほぼ無理かもだが)店の音楽を流せるようにしたり、裏側としては商品撮影から登録までを効率化したり、課題は細々と大量にある。

当初の想定から路線変更が必要だと思っているのは、仕入れの問題だ。

そもそも他店舗やネットから購入するいわゆるせどりや、お客さんからの持ち込みなどを見込んでいたが、後者はこの状況を考えると十分にやるのは特に難しそうだ。

ずっと人と直接関わって本を売る仕事がしたかったのに、まさか長期にわたって人と会えない状況が生まれるなんて想像もしていなかった。そのため、(手続きはお客さん側にも煩雑な面が増えてしまうが)仕入れはネットでも受け付けられるようにせねばと思っている。

本当は内装の話をしようと思ったけれど、今日は買ってもらえた喜びだけを抱えて眠りにつこう。おやすみなさい。